コラム

社会福祉士国家試験勉強方法まとめ【完全版】

はじめに

本記事では、教育大学卒で教員免許も取得している管理者が、社会福祉士国家試験合格のための勉強法についてまとめていきます。

社会福祉士等の国家資格取得を目標とされる方は、必見の内容となっております。

福祉の世界においてキャリアアップの手段の一つとしてあるのが、「国家資格取得」になります。

皆さんご自身や周囲に方には、国家資格取得を目指して勉強した経験や、まさに今勉強されている方、これから勉強をはじめようと考えている方もおそらく多くいらっしゃるのではないでしょうか?

キャリアアップ

福祉の世界では、国家資格取得がキャリアアップの手段の一つである。

また、国家資格は福祉の世界において大きなウエイトを占めるものになっております。

しかし、国家資格取得という素晴らしい志を持ちながら勉強している人をみていて、私自身大きな課題だと感じることがあります。

一つは「勉強の方法を知らないまま、熱心に努力をされていること」、そしてもう一つは、「インターネット上には間違った勉強方法や情報が溢れていること」が課題としてあります。

なぜこのテーマの記事を書くか

・「勉強の仕方を知らないまま、本当に熱心に努力される方がたくさんいる」

・「インターネット上には、偽りの情報がたくさんあり、勉強する人を惑わせている」

上記の点に大きな課題意識を持ったため、今回記事をまとめることにしました。

皆さんの中にも一生懸命努力をしているにも関わらず、なかなか合格点に繋がらないという方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、上記のテーマについて情報やノウハウをまとめていきます。

※そのため、社会福祉士国家試験の受験方法や、受験資格取得、出題範囲など、他で調べればすぐわかることは、本記事では掲載しませんのでご了承ください。

それでは以下ご覧ください。


インターネット上の情報に惑わされない

ポイント

インターネット上の情報の多くは、自分の会社やサイトを知ってもらうことを一番の目的としている。

「広告」「呼び込み」「SEO(検索順位を上げる)」など

インターネット社会において、大前提として一つあることは、「よい商品が売れるのではなく、よく見える商品が売れる」ということです。

皆さんも以下のようなワードをみたら、クリックしたくなりませんか?

よくみえるワード

一例として)

・「3か月で合格」

・「働きながら一発合格」

・「余裕で120点とれる方法」

少し立ち止まって冷静に考えてみてください。

社会福祉士国家試験は範囲がとても膨大で、福祉系国家資格(精神保健福祉士、公認心理師、介護福祉士)の中では一番難易度が高いとされております。3か月で合格は現実にみて非常に厳しいです。

※仮に学生で、3か月の時間のほとんどを国家試験に充てられる方は例外かもしれません。

また、働きながら一発合格も、理想ではありますが、私自身2回目、3回目と受けてやっと合格した方をたくさんみてきました。社会人においては1回目不合格でも、その後諦めないで合格を目指すことの方が重要だと感じます。

そして、国家試験は1点でも基準点を上回れば合格です。120点のような高得点をとれる方は全体の1~3%ほどです。

社会福祉士国家試験は全体の30%以下に入ることが目安とされております。120点も95点もその年の合格点を超えれば同じ合格であることに変わりはありません。

このように、インターネット上ではページに訪れてもらうために、「非現実的な言葉を使って呼び込むことがある」という前提の上で成り立っていることを忘れないようにしましょう。

注意する言葉

・過去問3年分で合格した

・今年の問題は簡単だった

・○○ヶ月で合格した

・100点(3桁以上)だった

・聞き流すだけで合格した

+アルファ

PPC広告について

・PPC広告は、お金を払うことで検索順位を上げる手段のことを言います。

検索順位の上にある記事が必ず優良な情報とは限らないので注意しましょう。


☆オウンドメディアについて

・自社メディアなどとも言われ、ブログ等の記事執筆を通じて自社HPに読者をつなげる手法になります。

必ずしも国家試験に通じた人が記事を書いているわけではないので、外部ライターへの委託や、インターネット上で検索したものを単に記事にしていることもあります。

このようにインターネット上にある情報は膨大なため、自分が主体的になって取捨選択判断することが重要になります。

色々な情報や言葉が山積しておりますが、他者の情報に惑わされてペースを乱さないよう注意しましょう。


非効率的な勉強をしないために気を付けること

ポイント

国家試験の勉強方法は、学校の定期テストの勉強方法と大きく異なる。

・正しい勉強方法を身に着けることが大切。(足し算的ではなく、引き算的思考)

福祉の世界にいて感じることは、例えば生活指導、就労指導等をする場面において「自分が学校の生徒だったときの先生をモデルにして指導する」ことがよくみられます。

これは時代も異なれば、専門分野も異なるので、必ずしも適切とは言えません。福祉はより細やかに個人個人やその人の背景について深く洞察します。よって、平均的な能力や、集団としての統率を求める構造にある教育現場とは違う立ち位置になります。

また、勉強においても同様で、「自分が学校で学んでいたときと同じように勉強をする」ことが、国家試験合格を目指す方にも多いのではないかと個人的に感じております。

社会福祉士国家試験の特徴

・ジェネラリストであるため、幅広い知識を求められる。

・問題解決能力や判断力、想像力を養うため、知識を活用する力が必要である。

注意する勉強方法

☆「ノートにまとめながら勉強する」はやめましょう

社会福祉士の範囲は膨大なので、ノートをとると挫折します。またノートをとって満足してしまい、知識として確立されていないことや知識を活用する勉強の時間がとれなくなります。


☆「過去問3年分で合格する」は間違え

受験などで、過去問3年分で合格したという話はよく耳にしたと思います。

もちろん社会福祉士の国家試験も、過去に出題されたものが表現を変えて再度選択肢(正解選択肢・間違え選択肢)として出てくることはよくあります。しかし、過去問3年分といった基準ではなく、出題範囲を広く網羅することが重要です。


☆「今年の出題予想」は誰にもわからない

よく出題予想が当たったなど、傾向を予想して対策講義をされる方もたくさんおります。

また膨大な白書に目を通しておくようになど、間違った道筋を教える方もたくさんおります。

国家試験は1点の積み重ねになります。白書を全部読んで、得られる点数は全体の1点~3点だけかもしれません。

余裕がある方なら良いのですが、優先することは出題範囲を広く知識として押さえることが何よりも近道です。

このように、皆さん一人ひとり勉強できる時間は限られているため、効率性は重要となります。

仕事も勉強も、スマホのメモリと一緒で、新しいものを取り入れるためには容量を空ける必要があります。

勉強方法を見つめなおすときには、「この勉強が足りない」といった足し算的な思考だけでなく、「自分の勉強方法は果たして正しいのか?」といった引き算的な思考でも考えてみると良いかもしれません。


基本は過去問をベース

ポイント

勉強の基本は過去問をベースにして、知識を増やしていく。

社会福祉士の国家試験は過去問をベースにして勉強を取り組んでいくことが重要です。

個人的には一問一答よりは過去問をオススメします。

ただし注意しなければいけないのが、試験までの残り時間を逆算しながら勉強しなければならないことです。

そのため、最初はわからない箇所がたくさん出てくることが当然なので、とにかく進んでいくことが大切です。

そうすると、そのうちに知識と知識が重なり合って、学んだことが段々と定着していきます。

過去問演習のポイント

どのぐらいの時間で、どのぐらいの範囲を進めるかなどペースを常に把握しながら勉強する。

・最初はわからないことが多いので、時間をかけずに進んでいく。(答えをみて良し)

・A難易度の問題(直感的に明らかに難しい問題)に時間をかけ過ぎないよう注意。

※国家試験はB難易度、C難易度で120点以上構成されている。

★国家試験の過去問は1回解いて終わりではなく、繰り返す必要があることを忘れずに。

勉強方法の例

・過去問は紙ベースで勉強、最初は解答を見ながら手書きで線引きや要点を簡潔にメモしながら進めていく。

 (加筆するときは、オレンジ色のペンを使用すると、赤シートで隠して振り返ることができる)

・赤シートを活用して、繰り返し確認する。なるべく早いペースで何度も繰り返す。

 (赤シートで隠して、わからなかったら、すぐ加筆したところを確認してOK、繰り返すことが重要)

・ある程度知識が増えてきたら、テキストもみて知識を整理していく。

・模擬試験や模擬問題集で知識が定着しているか、自分の現在地を確認していく。

※あくまで勉強方法の一例になります。それぞれ自分にあった方法を模索することが大切です。

勉強もスポーツも、基礎がしっかりしていると、その後しっかり伸びることができます。

とある木の話を紹介しますと、「最初の3年間はひたすら根をつくる期間でほとんど伸びないのですが、その後は驚くほど一気に成長し、何十メートルにもなる」という木があるそうです。

このように、最初の基礎をしっかりとつくることが、あらゆることに共通して大切です。

しかし何度も繰り返しますが、時間が限られておりますので、1か月で1、2科目のペースでは19科目は終わりません。

また直前期には演習中心のアウトプット型に切り替えることや、最後の復習をする時間も確保することを逆算して計画することが必要です。

ペース配分を把握する

・1週間、1か月で勉強に充てることができる時間はどれぐらいあるか?

・上記勉強時間の中で、今取り組んでいることはどのぐらい進むことができるのか?

・国家試験当日まで、どのぐらいの勉強時間があって、どの時期までに今取り組んでいることを終えることができるのか?

社会福祉士国家試験の問題を解く上で、制限時間内に全部の解答が終わらないという方も多くいらっしゃいます。

その対策も兼ねて、時間を逆算して取り組むことを意識していくことは重要です。


模擬試験や模擬問題集で必ずアウトプット

ポイント

足はタイムを計るから早くなる。」

国家試験も同様で、自分が今どのラインにいるか定期的に知ることが必要である。

知識をある程度入れたら、それが実践に使えるかどうか確認する必要があります。

スポーツで例えるとすれば、「練習試合」になります。

知識を入れることが目的ではなく、知識を入れてそれをきちんと発揮するまでがプロセスです。

しかし、模擬試験や、模擬問題集を取り組まないで、本番の試験に臨む人も多数おります。

そうだとすれば、逆にチャンスと考えて、模擬試験や模擬問題集に取り組むことで、他の人との差別化が生まれます。

個人的には、「夏に必ず模擬問題集を一度取り組むこと」「秋から冬にかけて模試を受けること」をオススメします。

社会福祉士の国家試験は、「初めてみる問題で、どこまで力を発揮できるか」が大切になります。

このように、模擬試験や模擬問題集を通じて、知識を活用する力を養うことや現在地点を確認することが重要です。


エビングハウスの忘却曲線を意識する

エビングハウスの忘却曲線

人が一度覚えた内容を再度覚え直すためにかかる時間を時間軸で表したもの。

・1時間後には、54%忘れる。

・1日後には、74%忘れる。

★24時間以内に復習をすると10分ほどで、100%まで元に戻る。

せっかく勉強した内容も、復習するのが1か月後であると内容はほとんど覚えておりません。

これは列記とした理論があって、「エビングハウスの忘却曲線」といいます。

社会福祉士の国家試験は範囲が広いからこそ、復習を適切なタイミングで行いながら、力をつけていくことが必要になります。

オススメは「夜に勉強したことは、朝に再度復習する」「昼に勉強したことは、夜に再度復習する」「1週間に1日はとにかく復習する日を設ける」などの方法例があります。

このように、勉強を進めていくときは、短時間でもよいので復習することを考えながら、進めていくことが大切です。


一人では合格できない

ポイント

国家試験はマラソンのようなもので、一人では心が折れてしまうこともあります。

そんなとき、共に歩む仲間や支えてくれる人がいれば、辛くても走り続けることができるかもしれません。

国家試験は「マラソンのようなもの」です。

ゴールするタイムやタイミングは人それぞれかもしれませんが、諦めなければ必ずゴールに辿りつくことができます。

ただ、一人では心が折れてしまうこともあります。

そんなとき、仲間や支えてくれる人がいれば、エネルギーとなり背中を押してくれます。

是非「私は社会福祉士国家試験合格を目指して勉強中です!」と声を大きくあげて、仲間や応援してくれる人の存在をエネルギーとして、長い長いマラソンを一歩一歩と進んでいきましょう。


オススメの勉強サイト

ポイント

社会福祉士の国家試験は、2択まで絞れて惜しかったでは、ダメ。

※社会福祉士国家試験受験する上で、印象的だった言葉。

私自身、プロフィールにもあるように2020年春に社会福祉士の国家試験を合格しました。

その時にいつもみていた勉強サイトをリンクさせていただきます。

社会福祉士国試 学習部屋 (fukufuku21.blogspot.com)

このサイトでは、毎日社会福祉士の国家試験の問題や情報を更新しております。

数年ものの間ほとんど毎日更新されているので、かなりの情報やノウハウが蓄積されているサイトとなっております。

良かったらご覧になってみてください。


おわりに

習慣

「新しい習慣は新しい靴を履くのに似ている」

最初の2、3日は、あまり履き心地がよくありません。でも3週間ぐらいたつと、慣れてきて、第二の皮膚のようになるでしょう。

引用:3週間続ければ一生が変わる、ロビン・シャーマ 北澤和彦訳 ポケット版 海竜社


「はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる」

イギリスの詩人、ジョン・ドライデンより、同書P24引用

社会福祉士国家試験合格は、ゴールでもあり、スタートでもあります。

私自身、社会福祉士国家試験勉強のサポートさせていただいた経験の中で、こんなドラマもありました。

合格体験のドラマ

★高卒で、異業種から福祉の世界にきて、50歳手前で人生で初めて勉強したといって国家試験合格をした人。

★60歳を過ぎてから社会福祉士国家試験の取得を目指し、病気を患う時期もありながら無事合格された人。

※共に1度目は不合格で、2度目の受験で合格。

今でも忘れられない思い出になります。

ただ一方で、社会福祉士の国家試験は「諸刃の剣」ともなります。

それは、国家試験を諦めてしまったことで、レッテルや失敗体験になり、その後の職業人生に影響を与えてしまうことです。

「自分には無理だった」という言葉ほど、寂しい言葉はありません。

私は今回、このような様々な出逢いや想いから記事を書きました。

ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。

一人のニーズからはじまる物語。

これからの社会は誰がみても確かに厳しい現実が待ち構えております。

しかし、それぐらいやりがいのある仕事やサービス(貢献)が福祉にはあります。

是非、本記事が多くの人にとって1ミリでも力になることができれば幸いです。

皆さんのご活躍を楽しみにしております。


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