コラム

オズボーンのチェックリスト~デザイン思考でアイデア発想を加速させる

はじめに

本記事は、日頃アイデアや発想がなかなか思いつかないという悩みを持っている方々に向けて、オズボーンのチェックリストを活用した発想方法をご紹介します。

チェックリストを発案した方は、アレキサンダー・F・オズボーン(Alexander Fauntleroy Osborn)と呼ばれる方で、アメリカの広告業界で活躍されました。

実はこのオズボーンが、今となっては身近となったブレインストーミング法を最初に提唱した方になります。著書には「Applied Imagination(1953年)」があり、ブレインストーミングの原則や方法について書かれております。

普段の会議でなかなか話し合いがうまくいかないと感じている方は、是非アイデアを自由に出し合うブレインストーミングを活用してみると、クリエイティブで創造的なアイデアが生まれるかもしれません。

オズボーン

・アメリカの広告業界で活躍された方

・ブレインストーミングを最初に提唱される

・著書に「Applied Imagination」(1953年)


デザイン思考とは

近年「デザイン思考」という言葉をよく耳にするようになりました。

変化が目まぐるしい時代において、問題解決やイノベーションを促進するために、このデザイン思考というものは欠かせなくなってきております。

デザイン思考は「共感」「定義」「発想」「プロトタイピング」「テスト」「実行」のプロセスが基本となるステップで、社会的な課題の解決やビジネス戦略、様々な分野に適応されております。

このうち「発想」のステップは、アイデアを自由に出し合うフェーズとなっており、ブレインストーミング等を活用して、多角的な視点からアイデアを生み出すヒントを見出します。

続いて本題であるオズボーンのチェックリストについてご紹介します。

デザイン思考

近年変化の目まぐるしい時代において、問題解決やイノベーションを促進するために様々な分野に適用されている。


オズボーンのチェックリスト

オズボーンのチェックリストは新しいアイデアを生み出す上で画期的なチェックリストとなっております。

チェックリストは9項目あり、それぞれ以下になります。

転用

転用

「他に使い道があるか」という視点

例)

・GPS(もともと軍事用であったものを自動車などに搭載)

・医療機器をフィットネス製品への転用

・食品から化粧品への転用

応用

応用

「他からアイデアを借りることはできないか」という視点

例)

・ドローンを使って農薬散布を行う(飛行技術→農業)

・3Dプリンタを使った建築(印刷→建築)

・AIをあらゆる分野に(人工知能→各分野)

変更

変更

「アレンジしてみてはどうか」という視点

例)

・外観や形状、材料の変更

・新しい機能を追加

・イメージやメッセージの変更

拡大

拡大

「大きくしてみたらどうなるか」という視点

例)

・100人パエリアのようなイベントができる

・菜箸のように長くすることで調理用になる

・コストコにあるような巨大(多量)な商品

縮小

縮小

「小さくしてみたらどうなるか」という視点

例)

・トミカ(当時は大きい車のおもちゃしかなかったことからヒット)

・小型化や折り畳み式で持ち運びに便利

代用

代用

「他のもので代用できないか」という視点

例)

・文書の印刷や保存を紙ではなく、デジタルファイルを活用する

・植物由来の肉(大豆ミート)

・支払いを現金ではなく、電子決済アプリを使用

置換

置換

「入れ替えてみたらどうなるか」という視点

例)

・金属製の部品をプラスチック製に置き換える

・プラスチックストローをサトウキビを原料としたストローに置き換える

・有害な化学物質を環境にやさしい代替物質に置き換える

逆転

逆転

「逆にしてみたらどうなるか」という視点

例)

・一般的に高価な製品やサービスを低価格で提供する

・伝統的なデザインを型にはまらないデザインにしてみる

結合

結合

「組み合わせてみたらどうなるか」という視点

例)

・スマートウォッチ(テクノロジーとファッションの結合)

・野菜寿司(野菜×寿司)フランスで話題となった

このようにオズボーンのチェックリストの活用はアイデア発想を加速させるためにも有効なものとなります。

是非、チームの皆さんでブレインストーミングをしてみるとアイデアやチームとしての活気も生まれてくるかもしれません。


まとめ

以上がオズボーンのチェックリストの紹介記事になります。

今は福祉の世界でも「就労」という形式で、商品やサービスを考案することも多くなりました。

その際に、デザイン思考やブレインストーミングを活用してみると、よりよいアイデアが生まれてくるかもしれません。

またアイデアが生まれたら、「そのアイデアは本当に価値があるのか?」を考えることも必要になり、「ユーザー目線」「USP(特徴や強み、差別化)」「エンジン(運営)」なども見据えるとアイデアがより実現に近づきます。

このように、他の業界でうまくいっている手法や考え方を取り入れるだけでも、他事業所との差別化が生まれてきます。

「学ぶの語源は、真似る」

是非、皆さんの実践における参考になれば幸いです。

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